コロナ禍で保育園見学ができない!という方が、昨年に引き続きたくさんいらっしゃいます。そもそも今年度の見学は中止、オンラインのみで行う、保護者は1名のみ、赤ちゃんは連れていけない、などなど、各園の見学ガイドラインがさまざまにわかれるいま、できることをご紹介します。
現地に行く!はとても大事
実際に園の中が見られれない場合でも、現地へ足を運ぶのはとても大切。行って、見て、感じてみないとわからないことって、本当にたくさんあるからです。
1.登園ルートからわかること
保育園の登降園は常に子連れ。赤ちゃんを連れて実際に歩いてみると、例えば、こんなことに気づくかもしれません。
●道が狭い(親子自転車やベビーカーでは通りづらそう)
●交通量が多い(歩行者が多く自転車で通行できなさそう/大きな国道を横切るため信号待ちが長い&迂回路で遠回りになる)
●帰りに立ち寄れるスーパーやレストランなどがない(疲れて夕飯を作りたくないときに詰む)
●公園がめちゃくちゃ多い(子どもが「遊びたい!」という誘惑にかられるかも)
●雨の日の代替ルートがない(自転車を封じられたら手も足も出ない…)
すみません、ネガティブな要素ばかりになりましたけど、こういうディテール部分って、実際に歩いてみないとイメージがなかなかわきません。
ネガティブ要素がすべて回避できれば、それはもちろんハッピー。でも、条件が完璧に整っている園に出会えることって、本当に稀です。
どの要素に懸念点があって、どこまでなら我慢できるのか。後からわかるとガックリしますが、事前にわかっておけば心の準備ができます。
2.外観からわかること
保育園は外観の第一印象も大切な情報。パッと見たときに「この園好き!」と思えるかどうか…など、確たるエビデンスのない「相性」も実は大事です。エモーショナル(情緒的・感情的)な部分も大事にしましょう。
その上で、こんなところが見られたら判断の基準になります。
●玄関まわりがなんとなく薄暗い(子どもが明るい気持ちで登園できる工夫がされているか)
●入退室者がチェックされていない(施錠・セキュリティの仕組みがあるかどうか。朝夕の登降園時間帯はノーチェックの園も多い)
●玄関前にアプローチがなく、いきなり交通量の多い道路になっている(靴を履いたとたん子どもが飛び出す…というのは、よくある危険なシーン。玄関で靴を履いた後、道路に出るまでに門扉などワンクッションのスペースがあるかないかで、安全性がかなり違ってくる)
●遊具・園庭が雑然としている(園児の遊ぶスペースがきちんと整理整頓されているかどうかは安全性と直結。保育士さん以外の人手が充足しているかどうかも窺い知れる)
●植物や生き物を育てている気配がない(必ずしも必要なものではないが栽培・飼育の体験を得られるかどうか)
相性や居心地のいい保育園に入園できると、復職後の日々のQOL(生活の質)も上がります。何が正解か、だけでなく、親子にとって心地いいと感じるかどうかの部分も大切にしましょう。
3. 園庭遊びからわかること
もし外から、園庭で遊ぶ子どもたちの様子が見られたらラッキー! その際、こんな保育が行われていないかどうかを見てみましょう。
●園児の数に対して保育士の数が少なすぎる(園庭の広さ・園児の人数・月齢にもよりますが、複数の子どもが遊んでいるところに保育士は最低でも2~3人はいてほしい→何かあった際に1人だと対応できなくなる)
●笛や太鼓などの号令で一律に行動をさせる(運動会の練習やゲームなどならまだしも、集団を管理するために笛吹き・太鼓を使うのは、ちょいと古いタイプの保育かと…)
●怒鳴ったり恫喝するような言動がある(これはイマドキ論外。厳しい先生って園に1人2人は必ずいますが、何人もの先生が束になって大声で子どもを管理・支配する保育となると、これはもう人権にかかわる問題です)
●安全性を重視するあまり子どもの行動を制限する(危ないからダメ! そっちに行かないで! など子どもの体験を狭める管理・指導は、保育士さんの腕・知識・経験が少し不足している可能性あり)
●遊びを見守るのではなく誘導している(砂遊びなどで、ああして・こうしてと先回りするような保育が見られないか)
園庭遊びや公園遊びは、1日の中の一部ではありますが、子どもの育ちを左右する重要な部分です。そして、うまく公園遊びに遭遇するノウハウは……。めちゃくちゃ長くなりそうなので後編に続きます。