いつもは保育園を「どう選ぶか」という視点で、保活中のパパママに向けて保活講座を行っているわたくし。
このたび、保育園の保育士さんに向けて講座を行いました。
オファーを下さったのは、都内・姫路に10園の認可・認証・企業主導型保育園を運営する滋慶学園グループさん。グループ全園の園長会と、全園200人以上の保育士さん・職員さんに向けた全体保育研修で、「保活者の視点を知って、選ばれる保育園になろう!」という講座をやらせていただきました。
保活をしている人はどんなところに注目して保育園を選んでいるのか? いつもとは逆の視点から新コンテンツを開発してみたら、「保育園を選ぶ際に見るべきポイント」の解像度がさらに高くなってきたのでした。
地域でも人気の「にじのいるか保育園」
さて、今回オファーをいただいた滋慶学園グループさんは、江戸川区、港区、練馬区、文京区、杉並区などなどで「にじのいるか保育園」を運営されています。
上記地区で保活をされている方はご存知の方も多いと思いますが、にじのいるか保育園って、地域でもけっこう人気のある保育園なのです。
飯田がいいなと思ったポイント1:保育の引き出しが多い
幼稚園教諭から保育園へ移られた先生が多い(園がある)ため、活動の幅がより広い。多様な視点がある。制作や運動など取り組みの引き出しが多そうです。
飯田がいいなと思ったポイント2:ポートフォリオで園での様子と成長がわかる
親が見られない園での子どもの様子を、カメラマンでなく保育士の先生たちが激写して、定期的にアルバムとしてまとめてもらえる。えー!超うらやま!
飯田がいいなと思ったポイント3:小学校に向けて入学準備をする
にじのいるか保育園さんは、入学準備までのステップが明確にプログラム化されてます。平成29年の保育所保育指針の改定により、一応建前上は、幼稚園も保育園も等しく小学校に向けた段階的な「教育」が行われているはずなのですが…。まだまだ切り替え移行期という感じで、保育園はあくまで生活の場、字を習うのは二の次みたいな園もあります。にじのいるか保育園さんはさすが、保育士養成校も持ってる学校法人という感じで、このへんの意識がクリアです。
とまあ、そんな人気の保育園がなぜあえて、保活をする人の視点を学ぶか。
このあたりの意識の違いが、人気の園とそうでない園の違いなんだな~と感じた次第です。
定員割れが始まっている認可保育園
こちら、東京都港区の令和3年4月の保育園空き状況。0歳児の空きがビックリするくらい目立ちますね。
ほんの2~3年前だったら考えられないような事態ですが、激戦とされる1歳児クラスでさえ空いているという状況です。
園児数が定員数を下回るということは、そのまま保育園の経営を直撃します。
保育園の運営費はほぼ補助金(税金)で賄われていて、補助金は「園児の数」によって決まります。
定員の数じゃなくて、園児の数です。
大事なことなのでもう一度言います。
実際に通っている園児の数によって園の運営費が増減するのです。
だから、満定員を前提に保育士を配置している園では、園児が定員を下回ると、その分だけ赤字になります。
東京都の2021年4月の待機児童は969名。ひと昔前は5桁だったものが、ついに今年、3桁になりました。さらに未就学児の人口もどんどん減っているという状況ですから、あと1~2年もすれば保育園は園児の奪い合いになります。(すでに奪い合いが始まっている都道府県もたくさんありますね)
園児の数を維持することは、保育の質を守ること
どんなにすばらしい保育をしていても、保活をしている保護者に「いい園だ」と訴えかけられなければ、入園する園児はどんどん減っていきます。
園児が減る→運営費が減る→人手が減る→保育の質が維持できない
この悪循環にはまらないため、今回、滋慶学園グループさんはいち早くオファーをくださいました。こうした取り組みを行っている園は、保育行政の行く末をしっかりと見定めて戦略を立てている、安心できる保育園さんだと思うわけです。
飯田個人としては、保育園への助成金は「園児の数」でなく「定員の数」であるべきだと常々思っているのですが…。このへんのモヤモヤはまた別の記事で。
もし「うちの保育園でも、保活者の目線を知る講座をやってみたい!」という保育園さんがいらっしゃれば、ぜひぜひお気軽にお問い合わせください。