「なんでこんなことを始めたんですか?」(本職はライターなのに…(怪訝))
たまーに、そんな風に聞かれることがあります。
まずはご挨拶として、保活講座を始めたいきさつをお話ししたいと思います。
産後の自分を助けに行くような気持ちで、2015年に始めた
保活講座は2015年、東京都北区十条にある民営の子育て支援サロン「ほっこりーの」で初めて開催しました。
当時私は、フリーのライターとして仕事をするかたわら、 個人的な子育て支援活動として「ほっこりーの」のお店番を週1回始めていました。孤独で鬱々として苦しかった産後の自分を助けに行くような、そんな気持ちで始めた活動でした。
当時、上の子は4歳児クラス、下の子は0歳児クラスに通う、バリバリの保育園きょうだい。しかも上の子は保活で大変苦労し、認可外→認可→認証→認可という「西村京太郎サスペンスのアリバイ工作」並みに、あらゆるタイプの保育園を渡り歩くハメになりました。…というわけで、ほっこりーののお客さんからすると私は、「なんかやたら保育園に詳しい人」に見えたのでしょう。
お店番の日は自然に、お客さんと保育園話をする機会が増えていきました。保活の話題は皆さんカロリーが高く、いったん話し始めると閉店時刻をすぎても熱く話し込んでしまうということが 、なかなか、けっこう、わりと、たくさんありました。
そんな中、出産を機に退職→どうせ入れないからと保活自体をあきらめている人がいたり、保育課の窓口に通い詰めて顔を覚えてもらう→入園を有利にすると言っている人がいました。
思わず「うーん」と、うなってしまいました。
最初からあきらめたり、報われない努力をしている人がいる!
実際には、仕事に就いていなくても認可保育園に入園する道筋はありますし、保育課の担当者に顔を覚えてもらったからといって入園を有利にすることはできません。
これらの誤解はすべて、情報が正しく伝わっていないせいで起こるのです。「保育園は働いてないと絶対に入れない」とか「担当者と懇意になれば有利」といった都市伝説 (いわゆる「嘆願書」問題とか。これはまた別の記事で書きますね)に惑わされて、最初から選択肢を狭めたり、小さい赤ちゃんを抱えて報われない努力をしてしまう人が増えるのです。
な、なんというもったいなさ…!
そこで、保育園の種類や選考の仕組み、北区の保育園事情や競争率、前年度の入園状況など、区や都や国が発表している一次情報のデータを、シンプルな図表にまとめてお客さんに解説してみました。
これが「保活講座」の始まり。
保活講座は 「わかりやすい!」と好評をいただき、何回もリクエストをいただきました。初年度だけで6~7回は開催したでしょうか。何度もリピート参加してくださった方もいましたし、ご来場者が会場に入りきれず、急きょ1日2回へ講座を増やしたこともありました。
この取り組みに注目が集まり、北区・板橋区オンリーだった講座は、ジワジワとエリアを拡大。5年を経た現在では、23区の各地(世田谷区、大田区、豊島区等)をはじめ、全国を対象とした広域のオンライン講座の開催にも至っている・・・という経緯でございます。
情報を正しく知れば、怖くない
保活講座にご参加くださった方の感想で、素直にうれしいなあと感じるのは
「保活への不安がなくなった」
「保育園に入れることへの罪悪感がなくなった」
という声です。
保育園は共働きを選んだ家庭にとって、電気・ガス・水道・インターネットに匹敵する「生活インフラ」。大げさでなくマジでそう思います。
なのに「保育園」という道を選ぶことに、怖さや引け目、罪悪感を持っている人がたくさんいらっしゃる。私自身も、そうでした。
でも、情報を正しく知ることで、その多くは解決します。
私は情報を知らなかったことで、実は2回ほど大失敗をしています。そのせいで保活もムダに遠回りしてしまったのですが(汗)、幸か不幸か、講座でお話しできる「生きたダメ事例」になりました。
保活において「知る」ことは、何にも勝る武器です。
情報を正しく味方につけて、「子育てしながら働く」というご自身の選択に自信を持ってほしい――。そんな気持ちで、保活講座を運営しています。